デザイナー人生のルーツは、高校生の時に見た映画、「2001年宇宙の旅」がきっかけ。
映画に登場する宇宙船のロゴが実在するアメリカの航空会社のロゴだった。
これが企業のプレイスマーケティングだと知ったときにこんな手法があるんだと感動し、広告業界に興味を持ちました。
その後、大学でマーケティングを先行し広告理論を勉強して卒業後は広告業界に就職しました。
「どんな仕組みで人は物を購入するのか」を考えた時、ユーザーにダイレクトに訴求をするデザインに行きつき、広告表現に係わりたいと思うようになりました。
デザインの勉強は自己流。現場で実践経験を積みながら身につけていきました。
初めてデザインをしたのは半導体のカタログページだったのは今でもとても印象に残っています。
当初はパソコンでデザインを行う、という感じではなく昔ながらのアナログな版下作成を行っていました。
社会人3年目くらいにMacが入り、パソコンでデザインデータを作成するという流れになったのを覚えています。
デザインが人の目に触れる、そこに至るまでには様々な人がそれぞれの思考を持って一つのものを作っていくという過程があります。
クライアント、プロデューサー、ディレククター、デザイナー。
それぞれがそれぞれの立場で考えた考えを最終的にまとめ、一つの表現に落とし込むのがデザインだと思っています。
表現の良し悪しで商品自体の評価や、ユーザーに与える印象も大きく変わるため、責任も感じますがとてもやりがいがあり楽しい仕事だなと思っています。
デザインで表現をすることにあたり、依頼をしてくれたクライアントの想像をいかに超えていくかということを大切にして仕事をしています。
クライアントが想定しているものがある中で、その想定をどれだけ上回ったものを提供できるのか「そんなの予想してなかった!こんな発想はなかった!」と笑顔で言ってもらえる瞬間が一番嬉しいですし、「してやったり!」という気持ちになります。
大学を卒業し一番最初に入社した企業はバブル期であったこともあり、今では考えられないほどの大きなお金が動いているような仕事ばかりでした。
社会的な影響力の大きさに若いころは戦々恐々としていました。
少なくない予算をクライアントから預かりマーケティングを担うということは、
社会に対して影響力を担うということだと思っているので、クライアントのブランディングに対して適切で最適なものを提案したいと考えています。
最適な提案を行うための引き出しはたくさん必要で、そのために調査はとても大切なことだと思っています。
私は仕事の8割を調査に費やし、ロジカルに戦略をたてるようにしています。
一番初めにクライアントにお会いし、話を聞いた段階で頭の中で納品イメージが浮かぶとその仕事はうまくいく
浮かばないと何か起こるかもしれないという経験に基づいた職人の勘みたいなものが今では身についています。
現在はプレイヤーとしてのデザインの業務はあまりしないようにしていて、様々な案件にアサインできる人材を育てています。
若手を育成するにあたり心掛けている点は、怒らないこと。
自分自身が若手だった時厳しい環境で働いてきてとても苦労した為、そういうことはしないようにしようと念頭に置いています。
仕事を行う上でのお手本を見せていきたいとも考えており、理想形を描いてそれに近付けていく工程を行ってもらうよう促し、提出されたものに対してアドバイスすることも大切にしています。
自分で考える癖をつけてほしいので、あえて正解は言わないようにしています。
今後も若手の育成に力を入れ、エムエム総研を若い人たちが引っ張っていける元気な会社になってほしいと思っています。